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2018年 04月 08日

VW T-3 Syncro transmission shaft バナゴン ミッション シャフト研磨

Some noise from transmission and need to be overhauled.
We opened and found needle bearing part must be repair and change to new bearing.

ワーゲンT-3 通称「バナゴン」のインプットシャフトの修理。
シンクロ(4WD)のミッションコード「AAN」の物。
2WDはヤナセでもカラベル(トランスポーターや最終年度はバナゴン)の名前で販売されていたが、短命に終わっている。

さて、届いて開梱すると、先端のニードルベアリングの部分が見事に摩耗しており、よくこの状態で走っていたと感心する。

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上の写真の摩耗してる部分にニードルベアリングが入るようだが、1mm以上、摩耗している…
とりあえず、この部分を研磨にて綺麗に落とす。
修正方法は色々と考えられるが、今回はスリーブの圧入で復旧することになった。

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研磨機に乗せ、ダイヤルゲージを当てて、計測したが、センター側は1/1000mmも振れが無かった。
これには、正直びっくりしたのと同時に、仕上がり精度に不安を覚えた…( 一一)

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研磨後は旋盤にて角を落とす。
依頼主からの要望で、スリーブを入れて修復するのだが、今後のオーバーホールの時はスリーブの入れ替えだけで済むようにしたいようなので、プーラーの爪がかかるように大きめに加工した。
ニードルベアリングの幅も考慮して、なるべく大きくとった。
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次はスリーブ。
当初はそのまま使えるかと思ってたが、長さを落としたい。
旋盤で落としても良かったが、直角度が出ないので平面研磨機で落とすことに。
長さ方向で3mmを落とすのはかなりめんどくさく、3時間以上も費やした。
割に合わない仕事とはまさにこのような作業か…

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上の写真の右側が研磨後の物、左側は比較のために置いたサイズの近いもの。
前述のプーリー抜きを考慮して面取りはあえてしない。
最後に糸面取りで良い。
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さて、焼き嵌めと冷やし嵌め、どちらか悩んだが、冷やし嵌めを選択。
液体窒素にて泡が出なくなるまで冷却。
写真はないが、素早くプレスにて圧入。
締め代の選定に悩んだが、上手くいった。
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これが圧入後。
このまま研磨したいところだが、シャフト全体が20℃くらいまで温度が戻らないと寸法誤差が出るのでしばらく放置。
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製品にマジックを塗り、仕上げ研磨。
芯出しは1/1000mmのダイヤルゲージで苦戦するも1ミクロン以内の精度で仕上げることができた。
あまりに嬉しかった(笑)ので、Youtubeにアップしたので、気になる方は検索されたし。

最後は、糸面取りと、ベアリングが入る側のC面を大きくとり完成。
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これで10年以上は持つと思うが、製造からもうすぐ30年。こんなに大事に乗っていただけるとは嬉し限りだ。

バナゴンの中古市場での価格は異常だと思ってるが、このような見えない部分にまで手を入れて、大事にされてる車両であれば少しは納得できるが、外観だけ綺麗にした車両が多い気もするなぁなどど思いながら晩酌スタート。




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by crankshafts | 2018-04-08 13:49 | 車 / Cars | Trackback | Comments(0)